WiMAX比較の観点

WiMAXプロバイダの料金・キャンペーン比較が不要である全理由

お金

WiMAXの契約において最も大切なことを1つ挙げよ、と言われたら「プロバイダの料金・キャンペーンの比較」と応える人が多いかも知れない。事実、WiMAXの比較において最も重要なのは各プロバイダの最新料金・キャンペーン内容の比較であると声を大にしているWEBサイトは吐いて捨てるほどある。

本当にそうだろうか?
本当に料金・キャンペーンを比較して意味のある差が存在するのだろうか?

WiMAXの契約ができるプロバイダと呼ばれる会社は25社前後あり、どのプロバイダも異なる内容の月額料金やキャンペーンを提供している。このため料金比較が重要だと思う気持ちも分からなくもない。

ところが実際にWiMAXプロバイダの料金を冷静に比較してみると、大した料金差がないことに気づく。にもかかわらず、契約期間3年の総額で数千円安いからと言って「ここが最安!」などと大騒ぎをするWEBサイトは多い。冷静に計算すれば1ヶ月あたり100円未満の料金差で大騒ぎしていることもしばしばある。

もちろん最安の料金で契約することを悪いことと断じるつもりもなければ、そのためにWiMAXプロバイダ各社の料金を比較することを否定する訳でもない。ただ、1ヶ月あたり100円未満の差・節約のために膨大な時間を費やしてまで料金比較を行うのは、時間の無駄以外の何物でもないのではないかと伝えているだけである。

このページではWiMAXプロバイダの料金比較やキャンペーン比較がいかに無意味であるかを解説する。

大騒ぎするほどの料金差がWiMAXプロバイダの間で実際あるのか?

そもそも「料金・キャンペーン比較をしなければ大損をする」ほどの差が、WiMAXプロバイダ各社であるのだろうか?

プロバイダ各社も馬鹿ではない。何も考えずに料金を設定している訳ではない(もちろんWiMAXプロバイダの中には何を考えて料金設定しているのか分からないNGプロバイダもあり、それは後述する)。ちゃんとライバル・競合各社の料金を横目で睨みつつ、1円でも安い料金で設定しようとしているに違いないのだ。そして実際に1円だけ安くして「我が社が最安です♪」と言いたいのだ。

したがって、WiMAXプロバイダ各社の料金プランはほぼ横一線となり、またキャンペーン内容も似たり寄ったりとなるのである。つまりプロバイダ各社の料金差というものは非常に小さくなる。

主なWiMAXプロバイダにおける月額利用料金および実質負担総額

ここで取り上げるWiMAXプロバイダ3社は、多くのWiMAX料金比較サイトで上位に取り上げられるプロバイダである。サイトによって1位から3位の順番が多少違ったり、意図的にこれら3社以外のプロバイダを上位にねじ込んでいるサイトもある。まずは、この3つのプロバイダのWiMAX料金を参考までに紹介する。

この料金表は、本稿執筆(2018年)時点での料金である。各プロバイダともに毎月のように料金が多少変動したり、キャンペーン内容が変わったりするため、正確な金額とは異なる可能性がある点を理解いただきたい。

また月ごとに各WiMAXプロバイダに支払う月額基本料金に加えて、キャッシュバックなどのキャンペーン特典も加味した実質負担金額の総額を併記している。各社ごとにキャンペーンの内容や形式が異なるため、実際にはそれらを加味した実質負担総額でプロバイダを比較するのが、WiMAX料金比較の定石である。

月間通信量7GB制限・料金プラン 月間通信量無制限(ギガ放題プラン)
サービス名 月額利用料金 総額料金(3年) 月額利用料金 総額料金(3年)
GMOとくとくBB
※総額約4万円のキャッシュバックキャンペーン
3,609円 92,424円 4,263円 114,660円
So-net(ソネット) WiMAX
※総額約3万円のキャッシュバックキャンペーン
3,450円 97,108円 4,050円 117,508円
Broad WiMAX(ブロードワイマックス)
※月額利用料金が最安クラス
2,726円 98,336円 3,411円 120,941円

キャッシュバックなどのキャンペーン特典も含めた総額での比較が重要

月額利用料金のみで比較してしまうと、最も安いBroad WiMAX(月額2,726円~)と最も高いGMOとくとくBB(月額3,609円~)の間で月額900円近い差がある。このまま計算すれば3年(36ヶ月)総額ではBroad WiMAXの方が3万円以上GMOとくとくBBよりも安いことになり、その料金差も大きい。ではBroad WiMAXが最安かと言うとそれほど単純でもない。

実際にはGMOとくとくBBの場合は約4万円のキャッシュバックが、またBroad WiMAXの場合は特定サイトから申し込みを行うとAmazonギフト券1万円のプレゼントがある。このため、これらを加味した(つまりWiMAXプロバイダに支払う月額利用料金の合計額からキャンペーン特典金額を差し引いた)実質負担総額でどちらが安いWiMAXプロバイダかを決定する必要がある。

上記の表では総額料金が最も安いのはGMOとくとくBBということになる。

この料金差はWiMAXプロバイダに優位性をもたらすほどの差だろうか?

それでは総額料金が最も安いGMOとくとくBBは、「他のWiMAXプロバイダと比較して最強・最高・最安のプロバイダである!!」と言い切れるだろうか?

答えは否である。

下記にGMOとくとくBBと他の2つのWiMAXプロバイダの料金差を記載する。
※いずれも料金差はギガ放題プランの場合で計算。

  • 1位・GMOとくとくBBと2位・So-netの料金差:3年総額2,848円(1ヶ月あたり平均約79円
  • 1位・GMOとくとくBBと3位・Broad WiMAXの料金差:3年総額6,281円(1ヶ月あたり平均約174円

本当にこの料金差で間違いなくGMOとくとくBBが圧倒的NO.1の優位性があると言い切れるだろうか?私個人的には、この料金差であればどっちでもいい。後は契約後リスクが少ないプロバイダを選ぶだけだ。

料金・キャンペーン比較結果の差は小さいが、NGゾーンの把握は重要

ご覧の通り、キャッシュバックなどのキャンペーン特典も含めたWiMAXの実質負担料金の差は、大騒ぎするほど大きいものではない。一部のNGプロバイダを除くと、ほとんど料金的には大差が無く、また多くのWiMAX料金比較サイトで上位に入っているようなプロバイダであれば、どこにしても大して変わらないだろう。

ただし、このページで強く訴えたいのは「契約後リスク」の把握はしっかりした方が良いということ。敢えて言うのであれば「各WiMAXプロバイダでのリスク比較」は必要だということである。

リスクだらけのキャッシュバックキャンペーンは避けるべきである

私個人であれば絶対に契約することが無いと断言できるのが、キャッシュバックキャンペーンを実施するWiMAXプロバイダである。上記の料金表の通り、キャッシュバックキャンペーンがある分(総額料金では安くなるため)、月額利用料金は比較的高額である(Broad WiMAXとの対比から)。

ところがこのキャッシュバックキャンペーンはリスクだらけである。Broad WiMAXと比較して3年間で6,281円が安くなるのと引き換えに下記のリスクを取ることと同義である点を、この本稿記事の読者の皆様には理解いただきたい。

  • キャッシュバック特典の振込先口座の指定等、受領手続きを行うのは約1年後であり、手続きそのものを忘れるリスクがある
  • 特典受領手続きはプロバイダが指定する期間内に行う必要があり、期間が過ぎるとキャンペーン特典が失効するリスクがある
  • 特典受領開始の通知はプロバイダが指定するメールアドレス(通常、自分では利用しないアドレス)宛に送付され、見落とすリスクがある
  • 万が一WiMAXを途中解約する場合、キャッシュバック特典を受け取れず、結果的に高額な月額利用料金を負担するだけとなるリスクがある

いずれにせよ金銭的には約4万円のリスク(キャンペーン特典金額を丸々受け取れない)となり、そのリスク金額は相当大きい。月額100円~200円の小さな料金差の比較を一生懸命やるくらいなら、このリスクを自分はどう捉えるのか、リスクを回避するためには何ができるのかに時間を費やしたほうがよほどマシである。

そして結論で言えば、どれだけ注意深くしようともリスクであることに変わらない。私であれば、そのようなリスクのないBroad WiMAXを迷わず選択・契約する。例え、最安と呼び声の高いGMOとくとくBBよりも3年総額で6,000円高くなったとしても、である。

利用料金がそもそも高いNGプロバイダ(UQ WiMAXなど)も把握しておく

上記のような細かな料金のせめぎあい・比較ならまだしも、圧倒的に料金が高く、そもそも誰が契約するのかと疑いたくなるWiMAXプロバイダもある。その例がUQ WiMAXだ。UQ WiMAXと言えばWiMAXの通信サービスの根幹を支えるUQコミュニケーションズ社が運営するプロバイダサービスで、25前後あるWiMAXプロバイダサービスの中で最も認知の高いサービスかも知れない。ところが、WiMAXの料金という観点では非常に高額である。

まず第一に、月額利用料金が高い。WiMAXのギガ放題プランの月額利用料金は4,000円以上であり、GMOとくとくBBなどと同様、最高額クラスである。

その上で第二として、キャンペーンがほとんど無い。GMOとくとくBBであれば高額のキャッシュバックがあるために(キャッシュバックが受け取れれば)総額料金が安くなるものの、そのようなキャンペーンもないのがUQ WiMAXである。

そして第三にWiMAXのルーターも有料である。他のWiMAXプロバイダで契約すれば無料で入手できるWiMAXルーターがUQ WiMAXではなぜか有料なのである。

これらの理由からUQ WiMAXの利用料金は高額となり、料金的にはNGプロバイダサービスということになる。

また他にもauショップや家電量販店店頭などでのWiMAX契約もおすすめできない。やはり店舗があるところでは人件費や家賃も発生しており、その分、WiMAX料金も高くなってしまうのだ。

以上、WiMAXの契約において料金・キャンペーンの比較・検討が基本的に無意味で、時間を割いて行うものではないことを説明させていただいた。
他にもWiMAXの比較と言う名のもとに無意味な比較・検討を煽るサイトが少なくない。

料金・キャンペーンの比較以外の注意点は、本サイトのトップページを参考にしていただきたい。
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